■本堂
重要文化財 江戸初期寛永10年(1633)再建
清水寺本尊十一面千手観音を祀り「大悲閣」ともいう。正面十一間(約36m)側面九間(約30m)高さ18mの堂々たる仏殿で、優美な起(むく)り反り曲線を見せる寄棟造り・檜皮葺きの屋根や軒下に吊る蔀戸(しとみど)など、平安時代の宮殿、貴族の邸宅の面影を伝え、四囲の音羽山の翠緑と見事に調和する。
堂内は巨大な丸柱の列によって外陣(礼堂らいどう)と内陣と内々陣に三分され、外陣内奥の正面欄間(らんま)に本尊と両脇侍(わきじ)の懸仏(かけほとけ)を掲げ、最奥の内々陣に本尊を祀る。そして本堂南正面に懸造り・総檜板張りの「舞台」を錦雲渓に張り出している。